血便・下血とは
このような症状でお悩みの方はご相談ください。
- 便に血液が付着していた。
- 排便後お尻を拭いたペーパーに血液が付着していた。
- 排便後の便器が血液で赤くなっていた。
- 肛門からポタポタと出血がある。
- イチゴジャムのような粘血便がでた。
- 下痢の中に血液が混じっていた。
- コールタールのような黒い便が出た。
血便とは
血液を混じた赤い便を排出することを示します。
一般に出血源は下部消化管に存在しますが胃や十二指腸などの上部消化管からの出血であっても急速、大量出血により血便を来すことがあります。
下血とは
血液を混じた粘稠な黒い便を排出することを示します。
60〜100ml以上の出血を来すと便が黒くなります。一般に、出血源は胃や十二指腸潰瘍などの上部消化管に存在するが、下部消化管出血の場合でも腸管内に長く停滞すると黒色便がみられます。
血便や下血の原因となる病気
- 痔核
- 痔核が原因で血便や下血が確認される頻度は4.0~31%
肛門での静脈環流が悪くなり血液のうっ滞がおこり静脈叢が蛇行し発達したものが痔核です。
排便や努責に伴う出血、痔核の脱出、繰り返す出血による貧血などの症状が出現します。 - 大腸癌
- 大腸癌が原因で血便や下血が確認される頻度は2.8~18.5%
下血、粘血便、貧血、狭窄による便通異常(下痢、便秘など)、腹痛、腹部腫瘤触知などの症状が見られることがあります。
右側結腸の病変では下血はまれで、黒色便や貧血症状が出現することが多いようです。腫瘍による狭窄が生じると腸閉塞症状をきたすこともあります。症状が出現した場合はすでに進行した状態のことが多いので、検診を継続することが大切です。 - 大腸ポリープ
- 大腸ポリープが原因で血便や下血が確認される頻度は0.4~17.4%
腸管内腔へ突出した限局性の隆起性病変をポリープと呼びます。
腫瘍性の腺腫と非腫瘍性の過形成性ポリープの2種類が多く特に腺腫は大腸癌との関連があり重要視されています。 - 潰瘍性大腸炎
- 潰瘍性大腸炎が原因で血便や下血が確認される頻度は3.4~12.5%
潰瘍性大腸炎は20~30歳代に発症することがおおいく、直腸、S状結腸から上行性に進行する炎症性腸疾患です。
腹痛、反復性の粘血便、下痢、などの症状が出現します。潰瘍性大腸炎は指定難病の一つで、近年増加傾向にあります。 - 大腸憩室出血
- 大腸憩室出血が原因で血便や下血が確認される頻度は1.8~7.9%
憩室とは大腸壁の外側に一部が突出した状態を指します。
通常は臨床的に問題となることはありませんが、憩室炎が起こった場合には腹痛、出血などの症状がみられることがあります。 - 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 胃潰瘍が原因で血便や下血が確認される頻度は30.3~42.4%
十二指腸潰瘍が原因で血便や下血が確認される頻度は7.6~23.0%
自覚症状は一定しませんが、上腹部痛の頻度は高いようです。腹痛は食事との関連が深く、十二指腸潰瘍では空腹時や夜間に起きやすく、食事により軽快する特徴があります。
一方胃潰瘍では食事後に痛み等症状が出ることが多い傾向にあります。潰瘍の活動性が高いと出血が続きコーヒー残渣様の吐血やコールタール様の黒色便を認めることがあります。
血便・下血がみられた時は
医療機関まで
大腸癌検診により便潜血検査陽性となり大腸内視鏡検査を受けた方のうち約65%はほぼ異常なしです。
その他ポリープの見つかる方が30%、がんの発見は3〜5%となっています。明らかな血便を認め大腸内視鏡検査を行った場合でも特に出血源が特定されないことも多くあります。
もちろん悪性疾患が隠れていることも考えられますので安心して生活するためにも大腸内視鏡検査をしておきましょう。
大腸内視鏡検査は前処置が必要ですので上部消化管内視鏡検査に比べますと多少の煩わしさはありますがさほど苦痛なく可能な検査となっております。
お問い合わせ
当院では内視鏡検査(胃カメラ検査・大腸カメラ検査)を実施し、お腹の不調でお悩みの皆様のご健康に貢献しております。
血便・下血は大腸カメラ検査が必要となる事が多いです。
重篤な病気の早期発見、早期治療を行う為にも血便や下血が診られた際は決して軽視せず、内視鏡検査を実施している医療機関までご相談下さい。