胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは
以下の項目に該当する方はお早めにご相談下さい
- みぞおち付近が痛い(特に空腹時に)
- 胃液が口や喉まで込み上げてくる
- よくげっぷが出る
- 吐血をした
- 吐き気が止まらない
- 墨汁のような真っ黒い便が出た(タール便が出た)
胃潰瘍、十二指腸潰瘍は胃酸により粘膜が自己融解されて組織の欠損が生じる状態です。
近年の研究から主な原因はヘリコバクター・ピロリ感染によることが証明されました。現在では強力な制酸剤により夜間の胃酸分泌を抑制し更にヘリコバクターピロリ菌を除菌することによりほぼ完治可能な疾患となっています。
胃潰瘍が疑われる場合でも悪性疾患の除外のために内視鏡検査が必要です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因
胃潰瘍と十二指腸潰瘍の主な原因はヘリコバクターピロリ菌感染です。
胃潰瘍の薬80%、十二指腸潰瘍の約95%にヘリコバクターピロリ菌感染が認められます。一方、日本人の約75%はピロリ菌のキャリアでありその一部の人にしか潰瘍が生じないことから菌株の違い、酸分泌、防御因子、喫煙、ストレスなどの関与も推察されています。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状
上腹部(みぞおち付近)の痛み、吐き気、背部通、食欲不振、胸焼け、もたれ感、潰瘍からの出血があると吐血、下血(タール便)を認めることがあります。
十二指腸潰瘍では空腹時に痛みを認め、食事により一時的に軽快することがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療法
出血、穿孔などの合併症がない場合には、内服薬を6〜8週間服用します。多くの場合数日で症状の改善を認めます。症状が改善した後も制酸剤を継続することで治癒が得られます。喫煙習慣は潰瘍が出来やすく、治り難いことが分かっており、禁煙は必要です。休養を十分にとり、バランスの良い食事を心がけましょう。
出血や穿孔が起こっている場合には、内視鏡的止血法や血管造影が必要な場合があります。
ピロリ菌に感染していると指摘されたら
ピロリ菌感染は全体的に衛生環境が良くなかった年代の型に多くの感染者がおられます。
現在の中学生では4%程度の感染率と報告されています。成人になってからは通常の日常生活で感染することはまずありません。ピロリ菌感染が持続する結果、胃粘膜で慢性的な炎症が持続し胃の粘膜を保護する力が弱くなります。
その結果胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再燃の原因となり、また胃がんの発症リスクが高くなることが分かっております。
ピロリ菌の除菌療法には胃酸の分泌を抑える薬剤と2種類の抗菌薬を1週間服用します。約8割の方は除菌に成功しますが、除菌できていない場合は薬剤を代えて二次除菌を行います。除菌の確認は8週間以上明けて便中抗原検査で行っています。
お問い合わせ
当院は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診察・検査・治療を行っています。
胃痛や吐き気、胃もたれは決して自己判断しないで下さい。胃痛や吐き気、胃もたれの症状を感じた際は直ぐに医療機関まで受診し、適切は治療をお受け下さい。
当院には米子市以外にお住いの方々にも胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診察や治療目的で当院まで来院されています。
些細な症状でも構いませんのでお気軽にお問い合わせ下さい。